出入り口にありがちな段差(沓摺)を撤去しバリアフリー用のカバーを取り付けた事例
最近の住宅では床の段差が殆ど無いバリアフリー仕様になっており、ドアの下にも段差が無い事が当たり前になりましたが、
ひと昔前の住宅ではドアの下には戸当たりを兼ねた段差が存在していました。
開き戸の場合は敷居ではなく沓摺(くつずり)と呼びます。
ほこりや冷気を遮断する役割もあり、たいていは3センチ程の段差になってます。
大きな段差ではありませんが、つまずきやすい段差です。
また、すり足歩行の方には大きな障害物になりますので、介護保険の住宅改修では「段差解消」の対象工事となっています。
今回はその工事工程を紹介します。
ほとんどの沓摺は床に被せている物が多く、切断をする事で外す事が出来ます。
縦枠の側面から釘を打っていることが多く、釘は切ったり削ったりして処理します。
今回のお宅では沓摺下の床材が突き付けになっており「すき間」がありませんでしたが、たいていの場合は
沓摺を外すと床材同士が離れており、大きく「すき間」が開いている状態です。
受けを入れるのにちょうどいいすき間(11センチ位)が開いている時はラッキーです。
今回は床材同士がくっついているので、床を切り込んで受けを入れるすき間を造らないといけません・・・。
バリアフリーカバーは各メーカーから色々な物が出ていますが、私が良く使用するのはパナソニックの「開き戸用見切縁」です。
受けがフローリングの厚み(12㎜)になっている為に今回のような場合には最適です。
簡易的な工事なので、比較的安価に段差を無くす事が出来ます。
縦枠に残る沓摺の撤去の跡や戸当たり、ドア下のすき間は補修程度となりますが、
塗装などによりさほど気にならなくなります。