室温のバリアフリー

 

寒い冬のこの時期、高齢者の浴室での溺死が増加します。

原因は血圧の変動によるもので、部屋と部屋の温度差が大きい程、血圧に対しても大きく影響するようです。

特に浴室は脱衣室との温度差による血圧に与える影響や、お湯につかった時の医学的なメカニズムによるリスクが多く、目まいやふらつき等の意識障害をおこす事が多いようです。

年間に1万人以上の高齢者が入浴中に急死をしています。その大半は溺死です。

寒い脱衣室で血圧は上昇し、お湯につかった時には更に上昇します。しかし、5分前後で血圧は急激に下がります。

医学的なメカニズムによるものだそうです。血圧が下がった時にお湯の中で気を失ってしまうのが死亡原因と考えられています。

その他、部屋と部屋の温度差による高齢者へ与えるリスクは多くあります。

冬の夜中にトイレに行く為、暖かくして眠っていた寝室から寒い廊下へ出た場合、「寒い~」と感じている時、肩に力が入り歯を食いしばるような寒さを感じている時は血圧も急激な変動(上昇)を起こしています。

トイレを暖かくしていた場合は、トイレの中では血圧が下がってきます。そしてオシッコを出し終わると血圧は更に下がり、ここで急激に立ち上がったりすると、立ちくらみを起こしたり、ひどい場合は失神をしてしまう事もあるようです。

特に立ってオシッコをする方(男性)に多いそうですが、オシッコの後に「ブルブル」と体が勝手に激しく震えます。これは小便により失った体温を取り戻そうと医学的なメカニズムにより発生するそうです。

排尿後の血圧低下から急上昇に変動しています。血圧にも心臓にも負担が掛かっている状態です。

これらを防ぐには、部屋同士の温度差(室温差)を大きくしない事です。理想は全ての部屋がほのかに暖かいといいのですが、現実はなかなか難しいかも知れません。なので一部屋だけを急激に温めたりせずにほどほどに暖かくし、何かを羽織るなどしてご自身に与える温度差を小さくするように心がける事が大切です。

 これが室温のバリアフリーです。

 残念な事に、現在は介護保険ではノータッチの状態です・・・。