玄関ポーチの手すり・・・それで大丈夫!?

以前、お客様より「過去に他の業者で取り付けた玄関ポーチの手すりがぐらぐらする・・・」という連絡がありました。

翌日になって現地に見に行くと、支柱を固定しているアンカーボルトが外れかけていました。

玄関ポーチに屋外用の手すりを取り付ける場合、床材によっては取り付け方法の注意が必要です。

床の仕上げ材がタイルの場合は、アンカーボルトによる固定では外れる危険性が高いのです。

4本のアンカーボルトで固定した例

その理由の一つとして、タイルが貼ってある玄関ポーチでは、タイルの下に3~5㎝のバサを打っています。バサとはタイルを貼るために打たれたカラ練りに近いモルタルで、タイルを調整しやすいようにセメントと砂を少量の水で混ぜて作ったモルタルです。

コア抜き後の穴の状態
内部断面

アンカーボルトによる固定では深さが5センチ前後の部分で大きな圧力が掛かりますが、このような下地の場合ではちょうど5センチ前後の部分が軟弱な事が多く、アンカーが効いていない場合があります。

アンカーボルトで固定する時のメーカーからの「施工上の注意」として、「厚さ10㎝以上のコンンクリートが打たれている事」とほとんどのメーカーで注意喚起を施工業者にしていますが、10㎝以上のコンクリートが打たれている場合は意外に少ないです。

指でカリカリするだけで崩れるバサ

このような下地(路盤内部)の状態はコア抜きを行った事により発見が出来るのですが、アンカーボルトでの固定では12㎜程度の穴を開けるだけなので下地の状態はわかりません。

これらの不安要素を考慮し、住まいる悠では当初より屋外手すりの支柱を固定する際は「埋め込み工法」を採用しています。

手すりの支柱を立てる場合のコア抜きは、直径6.5㎝の穴を20センチ以上の深さで専用の道具で掘っていくのですが、コア抜きにより下地(路盤内部)を確認する事ができるので、その状態に適した施工方法を選択する事が可能になります。

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例えば、コンクリートの厚さがあまりにも薄い場合は全体を解体してコンクリートを打ち直したり、コンクリートに5センチ位の厚さしかなく内部が土や砂利の状態であれば、内部を広く掘削し即硬性のセメントで固定を行うなど・・・後々不具合が出ないような施工を行う事が出来ます。

アンカーボルトによる固定の方が比較的安価で施工も容易になりますが、これらの事を考えるとコア抜きによる「埋め込み工法」の方が施工側も安心して確実な施工が行えると思います。